緑内障2:老化として

眼の老化

足腰や歯に比べて眼の老化はあまり目立たないけど、ザっと見てもこんなものがあります。

1)瞼が下がって眼瞼下垂
瞼を上げる筋肉が弱くなり、上瞼の縁が瞳の真ん中あたりまで下がると、上の方の視界が狭く感じます。ひどくなったら手術をして目を大きく開きます。

2)瞳孔が小さくなる
若者の瞳孔は直径が4mmくらいですが、高齢になると約半分の2mmくらい。直径が半分になれば、面積は4分の1になるので、眼球の中に入る光も減って暗いところで、見にくさを感じます。

3)白内障
  これは程度の差こそあれ、高齢者には必発のことで、水晶体が濁れば強い光がまぶしく感じたり、ピントが合いにくくなって、やがて視力も低下します。ただし、白内障はひどくなれば手術で改善できるので、そう深刻なものではありません。

4)緑内障
  緑内障とは視神経の線維が次第に減っていく病気です。そもそも視神経にいは100万本くらいの神経線維がありますが、40代を過ぎると年間に5千本くらい減って、この細胞は復活することはありません。
しかし、5千本ずつ40年間減ったとしても、2割くらいの減少です。これが3~4割減ってしまうと緑内障としての兆候が現れるので、超高齢者は初期の緑内障か、あるいはその一歩手前のような状態です。ただし、この程度では自覚症状もありません。
しかし、年間5千本減るはずの神経線維が1万とか2万本のペースで減少すると、年をとって、ちょっと困ったことになってきます。

以上の4点をシミュレーションしたので下の図です。まずは若者がみたゴルフ場でなんの変哲もありませんが

ILLUSION inc

次に高齢者がみたゴルフ場です。瞳孔が小さくなって、初期の緑内障を合併すると全体にやや暗く、左の茂みは緑内障のために少しみにくくなっています。ただし、この程度で生涯を終えるなら、さほど不自由も感じないものと思われます。

ILLUSION inc

緑内障2:老化として” に対して2件のコメントがあります。

  1. 杉山功一 より:

    本日、受信させていただき、若くてきれいな女医さんに診てもらいました。
    切っ掛けは、人間ドック後の1枚の紙です。そこには、「近所の眼科で診てもらってください」との旨の記載がありました。小生は、子供のころは、両眼1.5の正常な視力でしたが、小学校高学年ごろから、視力が落ち始め、中学生以降は、メガネが必須となり、成人したころには0.01~0.05程度の視力しかない強度近視となりました。そのころ受診した眼科で将来的に歳を取ってくると、強度近視が原因で様々な症状が現れる可能性があることを、教えてもらいました。網膜剥離、眼底出血、加齢黄斑変性、緑内障などだったと思います。本日の検査で、初期の緑内障の可能性があることを告げられ、近いうちに視野検査をして頂く予定です。これまで、眼圧は正常値の範囲内であったので、緑内障については全く考えておりませんでしたが、サーモグラフィーのような画像診断を初めて行っていただき、疑わしさを指摘していただいた次第です。
    卑近な話で恐縮ですが、職場のチーム5人のうち既に二人が、網膜剥離と眼底出血を起こしていて、片目はあまり機能していないそうです。小生で、3人目ですね。呪われた職場なのでしょうか(笑)。全員50歳過ぎのオジ捨て職場なので、仕方ありませんね。先生の視神経が年間5千本減っていく話は、初めて伺いました。とても興味深いお話です。老化はいろいろな影響があるということですね。アンチエイジングを無理にするのではなく、良い歳の取り方をしたいものだと、改めて感じさせていただきました。ありがとうございます。

    1. 土坂 寿行 より:

      コメントありがとうございます。確かに強度近視はいろいろな眼疾患の危険因子になるので、人間ドックなどまめに調べておかれるとよいと思います。
      また視神経線維の話に興味をもっていただいて、嬉しく思います。脳の神経細胞は毎日何万本だったか、詳しく覚えていませんが80~90歳くらいになると、若いころの半分くらいの重さになってしまいます。神経や心臓の筋肉などの細胞は再生をしませんが、血液や生殖細胞は無限に再生を繰り返します。身体を健康に保とうとする細胞があって、一方では、もしかすると神経の細胞などは、人間が長生きをしすぎないように遺伝的な歯止めになっているのではないかと推測をしております。

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