4月 9, 2023
人の中心 トカゲは追われると尻尾を切って逃げる。タコはあまり空腹になると自らの足を食べる。もし足一本で満足しない場合、二本目の足を食べて、またその次を食べて、最後にはどこが残るか。話はタコだから謎々のようだけど、これが人 […]
3月 24, 2023
井戸巡り 渋谷から自由が丘に引っ越してきたのは昭和34年。今でこそ若者や外国人に人気の渋谷で、大規模な再開発の途中だが、当時はまだまだ戦後の面影を色濃く残す街であった。 小学校の屋上は焼夷弾が落ちた跡で凸凹。あちこちに空 […]
3月 22, 2023
自分とは仁義 自分探しと言いながら、戦渦のイラクに出かけて殺された青年がいた。おそらく目的を達する前に死んでしまったか、あるいは直前にこれが自分だと思ったかもしれない。近しい人はどんな思いをしたことか。自分探しが流行り始 […]
2月 11, 2023
どちらが先か 鶏が先か、卵が先か。大昔から人々を悩ませてきた問題だが、その判断は見る者の立場によって大きく変わる。哲学者はプラトンもアリストテレスも似たような見解で、それはどちらが先というより、鶏も卵も本質は同じものであ […]
1月 14, 2023
忌中 九品仏の総門をくぐるとすぐ左側に閻魔堂がある。その手前には橋がかかっていて、下を流れるのは三途の川。こちら側が現世で此岸。川を渡ればあの世で彼岸である。そこに焔魔堂があって、中央にはもちろんひときわ大きな閻魔様。左 […]
1月 6, 2023
四季 世田谷の浄土宗浄真寺は通称九品仏。かつて奥沢城だったものが念仏道場に変わって三百余年の歴史をもつ。参道に入ると両脇に松が並び、寺に近づくにつれて欅、いちょうが混ざって、秋になると松の濃い緑もくすんでくる。般舟場とか […]
12月 6, 2022
昆虫採集 「お昼ご飯を食べてから蝉を取りに行きました」こんな日記をつけたのは、夏休みの宿題だったから。取ってきた蝉は草や小枝と一緒に虫かごに入れると、しばらくは弱々しい鳴き声を上げるが、やがて動かなくなって、気がつけば死 […]
11月 27, 2022
出・尾道 義父は皮膚科の医師である。長年尾道で開業医をしていたが、80を越えて今年はやめる、来年はやめると言いながら数年が経ち、5月8日、半世紀の間続けた医院を閉じた。最後の診察日には3人の患者が訪れた。 義父が尾道を出 […]
11月 2, 2022
西のきつね・東のたぬき 関東で「たぬき蕎麦」と言えば、かけ蕎麦に揚げ玉が乗っている。でも、関西では代わりに油揚げがのっている。要するに関西の「たぬき蕎麦」と関東の「きつね蕎麦」は同じもので、油揚げが乗っているのである。ち […]
10月 17, 2022
自由が丘の隙間 自由が丘の駅ができたのは昭和4年。それまでは九品仏駅と呼ばれていて、改札口があったのは今より少し渋谷寄り。自由が丘デパートとひかり街の間であるメインの通りは今のすずかけ通りで、当時駅前の一等地にあったのが […]
10月 7, 2022
一宿一飯 朝夕の涼しさを感じる頃、いつものようにテオ君と近くの公園を一回りしてくると、かすかな茜色の空がきれい。同じ速さで歩くものだから、リードが引かれることもない。ぶらぶら歩いてふと、足元を見ると2人のはずが3人になっ […]
9月 26, 2022
緑内障のイメージ 最近はテレビでも度々放映される緑内障。それは。 早期にはなかなかみつからない。40歳以上の人の5%が緑内障。放っておくと失明する。日本では最大の失明原因。早期発見、早期治療が大事。 だいたい […]
9月 7, 2022
出会い 聞いてはいたけど、ある日、突然にゴールデンレトリバー・ラブラドールの小犬がやってきた。何はともあれ、名前を付けなければならない。以前に飼ったネコはこの作業を怠ったために、一生ネコと呼ばれ、亡くなったときには墓にネ […]
8月 28, 2022
火事と喧嘩は江戸の華。江戸の町には火災に備えて水を溜めた桶があちこちにあった。天水桶と言った。この備えが昭和の時代まで続いて、自由が丘にもコンクリート製の水槽がそこかしこ置いてあった。ついでに各家庭の前には、道路の端にコ […]
8月 16, 2022
限定品の怪 「 季節限定」、「先着十名様限り」 チラシに踊る誘惑の見出しに妻が買ってくるものは、中味がスカスカのカニや一度袖を通したら縫い目のほつれるセーターである。カニの足を切って見れば妻は怒り心頭に発するが、これが反 […]
8月 13, 2022
鶏から鶏肉へ 九十九里で暮らした頃、隣の岡田さんとはよく酒を飲んだ。アウトドア―派の岡田さんは貝や魚を獲って、ついでに浜ぼうふうもとって刺身のつまにした。防風林の中から自生の椎茸も探してきて、ちょっと怖いきの子も平気で食 […]
8月 10, 2022
赤ちょうちんは男芸者 いつまでたってもはっきりと覚えている光景があって、暗い畑の中にポツンとぶら下がった居酒屋「たぬき」の赤ちょうちんもその一つ。描こうと思えば、今でも絵に描ける。かれこれ三十年も前のこと、「たぬき」は小 […]
7月 19, 2022
眼の老化 足腰や歯に比べて眼の老化はあまり目立たないけど、ザっと見てもこんなものがあります。 1)瞼が下がって眼瞼下垂瞼を上げる筋肉が弱くなり、上瞼の縁が瞳の真ん中あたりまで下がると、上の方の視界が狭く感じます。ひどくな […]
7月 18, 2022
菜食主義者はなぜ肉を嫌うのか。 自分の周りには一人もいないが、古くはピタゴラス、レオナルド・ダ・ビンチもベジタリアンであった。新しいところではスティーブ・ジョブスなど。同じ採食主義でも、比較的マイルドなのがベジタリアン。 […]
7月 12, 2022
血の池地獄、かまど地獄と聞くと恐ろしい気がするけれど、実は別府で巡る温泉の名称で、こんな地獄なら行ってみたいと思う。仏教で言うところの地獄とはもっと恐ろしいところで、それは八段の階層に分かれているのである。相撲でいえば横 […]